教えて!城谷先生!(2) 脳腸相関と腸をいたわる生活習慣

前回に引き続き、「でぶみ・ゆう」さんから、脳と腸との関係について城谷先生に質問いただきました(後編)

無理なダイエットでリバウンドを繰り返し“正しく食べること”で成功。以来「学校では教えてくれないダイエットのこと」を発信しているでぶみ・ゆうさんが、フォロワーさんからの相談や疑問を城谷先生にインタビュー。前編はこちら

でぶみ・ゆう
@debumi_yuu_diet
“正しく食べること”で万年ダイエッターから卒業。「学校では教えてくれないダイエットのこと」を発信中。

城谷 昌彦
ルークス芦屋クリニック院長。西洋医学だけでなく、東洋医学や心理ケアプログラムをとり入れ、心と身体の両面から診る医療を提供。

正しく知ることでダイエット中の食生活に変化。ストレスなく取り組めるように。

城谷

鳴海さんはバランスよくうまくダイエットをされている感じがします。楽しくおいしく食べながらダイエットするコツはどうやって身につけたんですか?

ゆう

私も最初は「ダイエット=(イコール)過酷なもの・修行」みたいなイメージでずっとやってました(笑)。例えばお米は食べないで野菜中心とか、お肉は皮なしの鶏胸肉だけ、みたいな感じで十数年間ダイエットしてきたんです。でも、あるとき、「消費カロリーよりも摂取カロリーがやや少ない状態で、PFCバランスがしっかり取れてれば痩せる」という正しい知識に出会い、「それだったら炭水化物を抜かなくても、3食適正量のお米を食べたほうがむしろPFCバランスが整うんだ」ということに気づいてからは、すごくダイエットが楽しくなりました。お米食べられるので(笑)。
あと脂質は、例えば調理油をそんなに使わずにお肉とか魚だけの油で十分に摂れるとかを知ってからは「全然修行レベルに食事制限しなくていいんだ」と肩の力が抜けました。それ以来、むしろ素材本来の少ない油でいかにおいしく工夫するかっていうことを楽しめるようになりましたね。肩の力が抜けたおかげで、友達と遊ぶときはすごくジャンキーなものも気にせず食べるとかメリハリをつけられるようになり、ストレスフリーになりました!

城谷

すばらしいですね。waloraアプリの「献立」というコンテンツでは、たんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%というPFCバランスの整った献立提案をしています。多少メニューによっては各栄養素の増減がありますが、その割合で食べられるので活用いただけたらと思います。

ゆう

本当に全部おいしそうです。何の食材が低FODMAPかどうかがわかりにくくて、今まで取り組みづらかったのですが、この献立の真似をしておけばいいので便利だと思いました。

城谷

確かに取り組みづらい食事法だと思います。意外な食材が高FODMAPだったりして難しいですよね。私もすべての食材のFODMAP度が頭に入っているわけではないので、クリニックでは「表を見て取り組んでください」とお伝えしています。waloraアプリにこの表も載せているので、お買い物の参考にも使ってもらうといいですね。

ゆう

買い物しているときにブロッコリーのFODMAPってどうだったかな、と思ったときにスマホで見られるのは便利ですね。

脳腸相関に注目。腸内環境の改善で、メンタルや睡眠にもよい変化が。

ゆう

あと私がフォロワーさんからいただくDMで気になっているのは、皆さん心が疲れているのか、ネガティブな相談が多いです。ダイエットをしている方は心が疲れていたり悩みやすいのかなっていう印象がすごくあります。ネットで先生の講演を拝見して、「脳腸相関」ということをおっしゃっていましたが、腸内環境の改善がメンタルにどんな影響を与えるのでしょうか?

城谷

腸脳相関とかあるいは脳腸相関という言葉がマスコミでもよく取り上げられるようになり、結構多くの方が腸と脳とか感情の関係を理解しておられるように思います。
実はうつの方って腸内環境とかお通じの悪い人が多いんですよね。抗うつ剤飲みながら下剤を飲んでいる方も割と多くおられます。

ゆう

低FODMAPに取り組んでいる人じゃなくても「これを食べちゃいけない」とか、人工甘味料や添加物も含め、食材や調味料など原材料を気にしすぎて、オルトレキシア※みたいな考えに縛られてしまっている方も結構多くおられます。フォロワーさんからそういう相談がある場合、私は、コスパなどもあるので、意識においておく程度に気にしておけばいいのでは?とお伝えしています。

城谷

おっしゃる通りで、現代の日本で全面的にオーガニックでの添加物もない食材を選ぶというのはまず現実的ではないので、そうではない食材が身体の中に入ってきても大丈夫、というある意味メンタリティを育てていくみたいなところも非常に重要だと思います。実はオルトレキシアに陥っている方には、お腹のトラブルを抱えてらっしゃる方、あるいは便で困ってらっしゃる方がかなりおられます。そういった状況からも、食材の厳しい制限というよりも精神的なサポートが重要かなというふうに思います。可能であれば添加物が少ない食事をするに越したことないけど、たとえ入ってきたとしても、自分にはちゃんとそれを解毒する力があるということをまずは信頼するとか、そういうことも非常に重要だなというふうに思います。

ゆう

そういう方は、腸内環境が整ってきたら抑うつ傾向とか精神状態がちょっと改善されるとかそういうケースもあるんですか。

城谷

ありますね。極端な例では、抗うつ薬とか精神科の薬をたくさん飲んでおられた方が、腸内フローラの移植後、お薬の量が半分以下に減ったというケースもあります。この方は、お通じに関しては移植後1週間で良くなり、精神科で処方される薬の量は半年ぐらいかけて半分以下に減っていきました。

ゆう

ええ(驚)そうなんですね!

城谷

それは一つには、例えば幸せホルモンといわれるセロトニンは脳で働くのですが、作られるのは95%腸なんですよね。腸内環境が悪いとセロトニン、あるいはその他の脳のホルモン例えばやる気ホルモンのドーパミン、集中力のホルモンであるアドレナリンといったものも、その一部はやはり腸で作られる部分があることがわかっています。腸内環境と私たちの感情が非常に密接に関係しているということは、私たちはもう十分臨床的に経験していることではありますが、医学的にも証明されつつあります。

ゆう

抑うつ傾向が改善するほかに、なにか変化はありますか?

城谷

腸内環境がよくなって抑うつ傾向が改善してくると、睡眠の質が良くなるとか、お腹の不快感がなくなることで気分が楽になるということも多いです。あと下痢の方はトイレのことを気にして、なかなか外出できない方もいますが、腸内環境が整ってくると自由に外へ行けるようになるので、行動面での変化に影響されて気分が良くなるという側面も大いにあると思います。

ゆう

うつのときってなかなか自分の状態を客観視しづらいと思うのですが、何かこういうことに取り組んだらちょっと自分を客観視できるかも、みたいなものはありますか?

城谷

私がよくおすすめしているのは呼吸法ですね。副交感神経経由で迷走神経の働きが悪い人が割とうちの患者さんに多いので、そのバランスを整える逆腹式呼吸というのを積極的にやってもらうように指導しています。でも、本来はそんなことしなくても、何ていうかご自身の喜びが感じられるようになればいいんです。つまり人との関係性の中で安心安全を感じられるような環境に身を置いている人が迷走神経の働きがいいので、ずっと常に戦闘モードとか、「頑張らないと自分の存在価値がない」みたいに思ってる人は非常に自律神経のバランスが悪いです。お腹の動きにとって非常にマイナスなので、安心できる環境作りとか逆腹式呼吸の呼吸法なんかを合わせて、時間かけてメンタル面に取り組んでいただくようにサポートしています。

ゆう

なるほど。逆腹式呼吸は一度ぜひやってみたいと思います。

城谷

運動もいいと思いますよ。でもうつの真っただ中で運動しろって言ってもなかなか取り組めないですよね。呼吸法ぐらいだと家の中でもできるから何とかやっていただければいいなと思います。

※オルトレキシア
本人が健康的だと思っている食事以外とらず、不健康と思われるものを摂取することに過剰な不安や恐怖心を抱き、少しでも口にしてしまうと罪悪感に苛まれたり、嘔吐するなどの症状を引き起こす、新型の摂食障害とされている。

ほたて貝柱とブロッコリーのリゾット
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材料
  • ほたて貝柱
  • ブロッコリー
  • ......